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BLOG【潜入!】三元社印刷工場見学
こんにちは!
このたび、ご縁がありまして三元社印刷様に工場見学をさせていただきました!!!
ピチクパチクが「紙と遊ぶステーショナリー展2」で大変お世話になっております。
今回の記事内容は
・三元社印刷 工場を見学!
・三元社印刷製版部 森野さんにインタビュー!
の2本立てで紹介していきたいなと思います!
はじめての工場見学【三元社印刷】
三元社印刷さんとは札幌苗穂駅近辺にかまえる老舗印刷会社さんです!
札幌で50年以上も印刷業をおこなっており、さまざまな印刷加工や技術を通して「紙と遊ぶステーショナリー展」の運営や各所でのイベント出店を行っています!
「紙と遊ぶステーショナリー展2」では、作家としてピチクパチクも「喜怒哀楽レコード」を制作させていただきました!
弊社にとって、かなり貴重な機会。
こころよく工場見学をOKしてくれた三元社印刷さん。
ならびにやりとりを進めてくださった森野さん、当日優しくご説明や紹介をしてくださった印刷工場の方たちには大変感謝いたします。本当にありがとうございました。
前置きはさておき。
早速、工場見学の様子に移りましょう!!
今回はピチクパチクのほかに2021年に弊社に入社した3人。
山﨑さん、中野渡さん、長岡さんにも同行してもらいました!
デザイン系の専門学校を卒業した3人。コロナ禍というのもあり印刷会社さんに行くのは今回がはじめて!!
印刷に関しての予備知識がない状態。ドキドキワクワクで工場見学をおこないました!
午前10:00。
三元社印刷さんに到着。
さっそくおじゃましま~~す。三元社印刷さん内部へ
恒例、名刺交換タイム。
弊社の特性上、意外と名刺交換をやる機会って人によってはすくないんです。
なので、彼女たちには入社してから何回目かの名刺交換。
ちゃんとおこなえているか先輩風を吹かしながら見守るピチクパチクでした。
3人とも、ちゃんとできていました!えらい!
おいそがしい中、工場見学をおこなわせていただくので時間もかぎられているのです。さっそく工場見学へ!
※この記事内の印刷物は著作物のためわからないよう加工を施しております。
工場内へ入ると、元気な音で印刷機が可動し、紙の香りやインクの匂いがほのかに感じられました。
大きい印刷機を見るのもはじめてな3人。
オフセット印刷機の説明を聞いて目を輝かせていました。
CMYKの網点の掛けあわせで色が作られている印刷物。
小さなルーペでのぞいてみると、細かい網点がたくさんあるコトに気づきます。
印刷物の入稿データが届くと刷り色見本と実際に印刷された色が同様か細かくチェックするそうです。
ここの微妙な差異を見極めて調整していくらしく、流れ作業のようで職人さんの技術が垣間見える瞬間でした。
オフセット印刷機。
インクを入れて4箇所の部分を通って、すごい速さで印刷されます。
ちょうど、イエローインクを補充する所を見せてくれました!
紙ものの4Cカラー印刷はシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインクを使用します。
オンデマンド印刷とオフセット印刷の違いについて、本当に丁寧に優しく教えてくださいました。
グラフィックデザイナーとして、デザインを作る上で良い知識になってくれたと思います!
みんな熱心にメモを取っていました!感心です!
本当に新しいコトをたくさん教えていただきましたが、そんな中でもタメになったことがありました。
みなさんブロッキング現象ってご存知でしょうか?
カタログや雑誌などページものの印刷物ってありますよね。
データ上のインク量が多いと、刷り上がったあとにインクが紙にくっついてしまい最悪の場合、剥がす時に破れてしまう可能性があることです。
弊社では総インク量400%のうち、340%以上にはしないでとよくいわれます。
そこで、ブロッキング現象を防ぐためのものがあるらしいんです!それが、こちら!
はじめて見る粉ですが、実はオフセット印刷機工程時は、インキ中に微量の水分を含み、インキ濃度・紙質・湿度・湿度によるインキの乾燥不良などのトラブルを予防する為に紙面に散布します。
普段の仕事の中では印刷の仕組みなどは、学ぶ機会が少ないです。
わからないコトをどんどん教えていただき本当におもしろいなと思いました。
そうそう、グラフィックデザイナーはみんな大好き【特色】!
こちらについても教えていただきました!
【特色】とはざっくりいうと印刷(CMYK)では印刷再現できない色のこと。
混色したり、そのまま使用したり、金や銀・蛍光色などはこの特色にあたるわけです!
本当にものすごい量の特色インクがありました!
あまり使われないものもあれば頻繁に使われるものも、ここにある以外にもまだまだありましたよ!
このトレーで色を混ぜ合わせるそうです!
DICやカラーガイドに書いている色同士の配合量に応じて混色するコトで特色を作っているんですって!ひとつずつ全部の色があるわけじゃなくこうやって色を作るんですね!
インクをさわらせていただきました。
表面はラップがついているみたいにプニョプニョでなんともいえない触り心地。
ずっと触ってられます。と思って油断していたら、ちょっと指につきました笑
そんな時は油を染み込ませた布で拭き取ると良いらしいです!
拭き取れたあとのピース。お騒がせいたしました、、。
こんな感じでインクの取り扱いに十分注意しないと、どこか無意識にさわって印刷物についたら大変です。印刷にはワナが多いと工場の方も教えてくださいました。
つねに細心の注意を払って印刷に向きあっている姿勢。見習いました。
そして、これがインクと印刷物の違い!
インクは赤っぽく見えても印刷されるとピンクぽい色に!
※製品の見本が付いていたのでぼかしています。
こちらは、パンチ穴を開ける機械。
「紙と遊ぶステーショナリー展2」でも前田麦さんの作品(パンチ穴メッセージカード)の中で使われていた機械です。足で踏むとドリルが降りて、設置していた紙に穴が空きます。
穴の大きさも数種類。3mm・4mm・5mm・6mmまでの穴が開けられるそうです!
ご好意ですこしパンチ穴の機械を体験させていただきました。
前田麦さんのパンチ穴メッセージカードの制作の際、
微調整をおこないながら指示通り同じ箇所に穴を開ける作業がとても難しかったそうです。
確かに、2個ずつ穴が開くのに対して等間隔に穴をあける。
ここにも、技術力が結集しておりました!感動です!
パンチ穴の抜けた紙の手触りはすごくよかったです笑
つづいて、断裁機。
グラフィックデザイナーにはおなじみ。
トンボに合わせて一片ずつ紙をカットしてくれる機械です。
機械の手前にある2つのスイッチを両手で同時に押すと「チューン」という音と一緒に一気に刃が降り、一瞬でカットされます。
これもなんと体験させていただきました!なんだか爽快というか、すがすがしかったです。
そして、工場の方が紙の束を軽々持ち上げていたのですが、
持たせてもらったらこれがかなり重い!!笑
重すぎて笑っちゃいました。
持たせていただきましたが坂本の力じゃまるで持ち上がりませんでした。
腰がくだけそうな感覚というか、どこに力を入れていいかわからない。
およそ、 35kgといっておられましたが、それを手の握力と腰をうまく使わないと持ち上がらないんです。
修行が足りませんでした。出直してきます!
ピチクパチク二人とも手がプルプルしてしまいました、、。
うしろで長岡さんが引いてました!良い表情してますね笑
できあがった紙面はこの梱包の機械で結束され、無事発送となるわけです!
ほかにもいろんな機械をご紹介いただきました!
よく見かける巻き紙の機械
逮捕されたパチク坂本。
こんなこと、本当に体験できないので感謝しかありません!
巻き付き方が不思議で面白いです!
マーブル製本をする機械
あっという間!
1階をご案内いただいたあとは階段を降りて地下へ
下の階ではシールなどの印刷や1色機が置いてありました。
三元社印刷さんに来るまでシールの機械と紙ものの印刷機が違うものということすら知りませんでした。
僕らにシールの印刷工程を見せてくれるために、普段より印刷機をゆっくりスピードにして見せてくれました。感無量です。
シールがもろ写ってしまったため、掲載できませんでした!すいません!
5色まで色を印刷できるそうです。
シール機で使用されていた型です。
これらが合わさって型にインクが付くことで一つの印刷物が作られるみたいです。
印刷し終わり余分な部分をカットしたシールの端材。
どんどんホースのようなものから出てきます笑
なんと1枚なんです。切れていないんです。どれくらいの長さなんでしょう。とても気になります。
これをあとで袋に詰めて印刷物の納品時の緩衝材に使うみたいです!サスティナブルですね!
そして、これ。
超長々ハサミ。森野さんもこんな大きいハサミが三元社印刷さんにあるとは知らず驚きのご様子でした笑
記念撮影しました。
本当に本当に楽しい工場見学でした。
工場の方達も本当に親切で、知らない事がどんどん知れてかなりタメになりました。
3人もたくさんメモしていたので、今後に活かしてくれるコトでしょう!
そして、つづいて場所を替えて森野さんへインタビューです。
森野さんへインタビュー
ここまででも大分濃密な時間を過ごしたのですが、ここからは森野さんへお願いしてインタビューに答えていただきました。
11:20 森野さんへインタビュー
今回は3人が事前に考えてきてくれた質問内容+ピチクパチクが考えたものを合わせて、答えていただける範囲でお答いただきました!
入社2年目の3人は久しぶりのインタビューコーナー。
最初はみんな固い様子でしたが、徐々になれていって楽しくおしゃべりできました!
終始、笑顔でお話してくださいました。
今回は、印刷会社で働く森野さんとしてのパーソナルな話や「紙と遊ぶステーショナリー展」のお話。
三元社印刷さんのお話などなど、たくさんの質問をさせていただきました!
ここでしか聞けない、はじめて聞く話ばかりで本当に面白かったです。
Q.紙の魅力について
A.紙は大概の人が知っていてふれたことがあり身近なもの。
意外と紙の奥深さまでは知られていない。折れにくい紙、冷凍用の紙(ユポ紙)や凹凸のある紙。
それぞれの紙が用途に合わせて作られた紙という所までは知られていない。という所が知られたり、紙製品となり触れることで魅力につながる。
例えば、カタログにコート紙(光沢のある紙)を用いると読み手からすると目がチカチカして疲れてしまう。
その場合は、マットコート紙のような少しマットな質感の紙を使用する。
インパクトを出したい時、高級感をだしたい時などそれぞれの用途で、使い分けることできます。
そういう奥深さ、知らない部分がたくさんある事が紙の魅力・可能性なんだとおっしゃっていました!
Q.印刷会社さんで苦労だったことはありますか?
A.WEBとは違い印刷後の修正が困難なこと。
印刷の現場でミスが発生した場合、絵柄や文字の追加・削除が難しく、訂正シールや改めて刷り直す場合があります。
シンプルなことですが、工場見学をさせていただく前とあとではかなり考えさせられました。ただ、お金を払って刷り直しという事ではなく、それにたずさわっていただいている方、色を合わせたり、断裁、加工、職人さんのいろんな技術が集まって一つひとつの印刷物が作られていっているというのを改めて知りました。先方とのやりとりやミスがおこらないようにデータチェックなどをしっかりやりたいなと思ったお話でした。
Q.「紙と遊ぶステーショナリー展」が始まった経緯
A.コロナ禍になり相次ぐイベント中止などで個人的な楽しみが無くなってしまったという森野さん。
そんな中、ステッカー販売のイベントに行ったことでとてもワクワクしたそうです。
三元社印刷さんの技術を生かして何かできないかな?わくわくする事がしたい!となったのがきっかけ。
印刷会社ということで文房具だ!となり、以前より交流のあった久米井さん(株式会社デクスチャー)に相談したそうです。
(実は森野さんと久米井さんは専門学校が同じとのこと。久米井さん:人選などをご担当してくれた方です)
そこから、詰めて仕組みを考えて出来上がったのが「紙と遊ぶステーショナリー展だったのです!
そのほかにも、「紙と遊ぶステーショナリー展」を通して起こったトラブルや、活きたコト、制作秘話など。
どうやって森野さんが、「紙と遊ぶステーショナリー展」を出展できるまでに至ったのか。
本当にたくさんお話ししてくださいました。
1時間ほどでしたが、印刷会社さんならではのお話とても充実した時間となりました!
3人もお疲れ様でした。
ご協力いただいた三元社印刷様、森野様、工場の方々。
本当にどうもありがとうございました。
三元社印刷の技術力にも注目して、ぜひ見てみてください!
写真はお見送りしてくれた森野さん
おまけ
せっかくなので見せれなかった写真を何枚か。
これ、紙をまとめる機械だそうです。
機械の上に乗せると振動でまとまるそうです!
長岡さん感想:
貴重な工場見学の機会を設けてくださり、本当にありがとうございました。視界に映る機械の全てが新鮮で、漂うインクの匂いも好奇心をそそられて、童心に帰る気持ちで見学させていただきました。自分は結構な緊張しいなのですが、森野様を筆頭とした皆様の暖かい対応のおかげで、 肩の力を抜いて楽しむことができました。引っ張っても破れない紙や、特色染料の膜に触れたこと、断裁の体験をさせていただいたりしたことが個人的に特に記憶に残っており、本当に素敵なお時間をいただけて、嬉しく思います。入稿する直前のデータチェックの大切さなど、自分の仕事の一部分の重要さを再認識できるお話や、「紙と遊ぶステーショナリー展」の裏話など、お聞きできて大変嬉しかったです!また機会があれば是非とも、お伺いさせていただきたく思います!お忙しい中、素敵な体験をありがとうございました!
中野渡さん感想:
印刷の機械を見るのは初めてでしたが、実際に見て初めて知る部分がたくさんあり、貴重な体験でした!ズレやインクの量など、目視や感覚など熟練の技術があってこそできる部分もたくさんあって本当にすごいなと思いました。また、断裁・穴あけ・梱包の機械など、実際に触らせていただけて、面白かったです!企画を0から一人ではじめて、ここまで完成させた森野さんの行動力がすごいと思いました。また次のイベントも楽しみです!聞いた質問にわざわざ手を止めて答えていただいて、たくさんの話をお聞きすることができました。ありがとうございました!
山﨑さん感想:
印刷のことも紙のことも森野さんのことももっともっと好きになっちゃう1日でした!実際自分で見てみないとわからないことばかりなので型抜き?や特色などの印刷機械がこんな風になっているんだ〜と新しいことを知れて嬉しかったです。限られた予算の中でもデザイナーさんに寄り添いベストを尽くす姿はかっこいいです〜〜。企画も楽しみにしてます。貴重なお時間ありがとうございました!
本当に3人も楽しんでくれました。
拙い文章ですが、本当に楽しかったのが伝わっていれば幸いです!
筆者:坂本